1.基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験とはIPA(情報処理推進機構)が主催しているITエンジニアの基礎知識があるかどうかを図る国家資格です。
エンジニアになる上で最低限このくらいは知っておいた方が良いよという内容が出題され、ITエンジニアが所持すべき基礎的な知識・技術を所持していることを示すことができます。
入社後数年以内に取得することを推奨している企業も多くあります。
2.試験の概要
基本情報技術者試験に合格するためには、「午前試験」と「午後試験」それぞれ100点満点中60点取る必要があります。
午前試験が100点でも、もし午後試験で60点未満だった場合「不合格」になります。また各試験のスコアは次の受験期間に持ち越すことはできないため、必ず年2回の受験期間約3か月間の間で午前試験と午後試験両方で60点以上を取る必要があります。

いえ!そんなことはありません。ここがややこしいところですが、午前試験と午後試験の「午前」と「午後」というのは受ける時間帯や順番の前後を表すものではありません。
同日に受けることもできますが、午前と午後で対策法が異なることから、午前→午後の順番で別の日に受ける人が多いです。
申し込み方法
午前・午後試験合わせ料金は5,700円(税込み)です。
申し込み期間はIPAのこちらのページに記載されています。
2021年の春季試験は終了しています。次回は10月10日試験期間開始の予定です。
予約期間に入ったらプロメトリック社の予約サイトから行います。
予約期間開始したらなるべく早く試験を抑えましょう。土日の都心の会場から埋まり、直前になると土日は首都圏全域で受けられる会場がなくなります。私は初めて受験した際甘く見ており、群馬県の朝一のコマしか開いていないという状況になってしまいました。
また基本情報の予約サイトは、旅行で使うような予約サイトとは異なり、空いている会場を探すだけでも信じられないくらい不便です。空いている会場を探すのに苦労しないためにも直ぐに予約してしまうことをおすすめします。

プロメトリック社のポリシーには予約変更について以下のように記載されています。
試験日の3営業日前(土日受験の場合は4営業日前)の23時59分まで。
直前になると空きが極端に少なくなるため、変更は分かった時点ですることをおすすめします。
3.出題範囲と学習方法
- 午前試験と午後試験は出題形式が異なることから、対策法が全くことなります。それぞれの試験の特徴を理解して効率良く対策しましょう。
ポイント
- 午前試験:80問/150分→計算が必要なものもあるが、過去問を解いていれば直ぐに解ける問題が多い。時間に余裕がある。
- 午後試験:大問5問/150分→限られた時間に複雑な問題を丁寧に解く必要がある。時間配分に気を付けて対策しなければ全問解き終わらない。
出題範囲(午前)
午前試験の出題範囲は以下の通りです。
ポイント
- テクノロジ系(50問):アルゴリズム・セキュリティ・データベース・ネットワーク・コンピュータ・システム開発技術等
- マネジメント系(10問):プロジェクトマネジメント・システム監査・サービスマネジメント等
- ストラテジ系(20問):企業活動・法務・システム戦略等
一般的にイメージされるITっぽい内容は意外とテクノロジ系だけで、法務であったりシステム監査などのビジネス的な問題も多く出題されます。マネジメント系・ストラテジ系は主に暗記でいけてしまうのに対し、テクノロジ系は午後試験に合格するためにもしっかりとした理解が必要です。
これだけではどんな問題なのかイメージがつかない方も多いと思うので、一度後ほど紹介する過去問道場というサイトで過去問を見てみると良いです。
出題範囲(午後)
午後試験の出題範囲は以下の通りです。少々ややこしいですが、要は以下の中から大問5つに回答することになります。全員共通の3つは「情報セキュリティ」、「データ構造およびアルゴリズム」、「ソフトウェア開発(C言語、Java、python、アセンブラ、表計算の中から得意なもの1つ)」で、残りの2問は問2から問5で出題された3問の中から2問回答することになります。
つまり上の表の濃いオレンジの問題は全員対策する必要があり、薄いオレンジの問題は絞って対策するのが効率的になります。
学習方法(午前)
午前試験の対策は基本的にこれがベストだと思います。
ポイント
過去問道場+教科書的に使うテキスト
「基本情報に1か月で合格!」なんて声を良く聞きますが、それなりに難しい試験でありながら実際のところ短期合格が不可能ではないのは過去問道場の力が大きいです。
このサイトではアカウント登録を行うと無料で膨大な数の過去問を解くことができます。
試験回やジャンルごとに問題を指定することができますが、ジャンルで絞ってしばらく同じジャンルの問題を何度も解くことをおすすめします。
こんな感じで、ジャンルを絞れます。範囲がとても広いので、まばらに解いているとせっかく解説を読んで理解しても忘れてしまうかと思います。後半はむしろランダム出題の方が力試しになって良いと思うのですが、序盤は何度も何度も同じジャンルの問題を解いて理解を定着させましょう。
過去問道場の解説は十分丁寧ですが、それでも学習しはじめたばかりの方には難しいことも多々あると思います。そんな時に使用するのが書籍の教材です!
類似の項目などもついでに覚えられるので、ぜひ購入して一緒に学習することをおすすめします。
ちなみに私が教科書として使用したのはこのテキストです。
初心者にも分かりやすく丁寧に解説されています。ただ文系卒の私にはこれだけ親切に解説されていても2進数の計算が全然分かりませんでした(笑)進数の計算は難しいので、そんな時はYouTubeで検索して解説動画を見てみましょう。分かりやすい解説動画が結構アップロードされています。
学習方法(午後)
続いて午後試験の学習方法です。午後試験ではプログラミング(javaやpythonなど)未経験者は特に時間をかけて対策する必要があります。なぜなら「アルゴリズム」と「ソフトウェア開発」の2つだけで配点が50点となっており、この2つの対策をしなければ合格は不可能だからです。
私が学習に使用したのは以下の3つの書籍です。私は「ソフトウェア開発」で「表計算」を選びました。「java」など他の言語を選ぶ方はその言語で受験した方の体験談を見て検討すると良いと思います。
「ソフトウェア開発」以外の過去問用
「ソフトウェア開発」、「アルゴリズム」以外の暗記用
※「ソフトウェア開発」、「アルゴリズム」は入っていません。
合格するためのテクニック的なことが書かれている本なので、この本だけで対策は難しいと思います。。しかし「データベース」に関しては、結構簡単に回答できるテクニックがのっていて役に立ちました。試験対策の仕上げとして活用することをおすすめします。
表計算対策
「ソフトウェア開発」で表計算を選んだ方には、この書籍で学習することを強くおすすめします。
ちなみに過去問については午前試験の学習法で紹介した過去問道場で午後試験も提供されていますので一度確認してみると良いと思います。私は印とかを付けながらじゃないと理解できないと思ったので書籍の過去問を買いましたが、プログラミング経験があったりして自信のある方は過去問道場でもよいかもしれません。
通信講座・午前試験免除について
「基本情報技術者試験」には免除試験という制度があります。これは特定の講座のコースを修了し、免除用の試験を代わりに受講することで、午前試験が免除になるという仕組みです。
私の同僚にもこれを利用している人が何人かいましたが、結局のところ午後試験に合格するには午前試験に合格できるレベルの力は必要なので、午前が免除になったことで中途半端にしか勉強せずに不合格になる人が多いという印象を持っています。
資格を効率良く勉強することも大事ですが、もしあなたが本格的にエンジニアになるためにこの資格を取りたいと思っているなら、基本情報くらいは攻略できるくらいの根気強さが必要です。
逆に少々費用と時間はかかりますが、udemyのような動画教材を使用して、しっかりと理解しながら試験学習することを私はおすすめします。特にデータベースは未経験だといくら書籍を読んでも何のことを言っているのやらという感じだと思うので、自分でSQLを触って理解することをおすすめします。
基本情報 全般
~始めから効率よく学ぶ~ 基本情報技術者試験 最速 合格講座
ネットワーク関連
【理解して得点を取る】ネットワーク初心者講座(ITパスポート/基本情報技術者試験)
データベース関連
動画でわかる!ITパスポート+基本情報技術者試験合格への道のり【データベース編】

4.まとめ
当記事では基本情報技術者試験に合格するためにできる対策について紹介しました。
試験勉強って面倒くさいですよね。。。どうか当記事の教材を参考に効率良く試験に合格できることを祈っています。
以下に試験合格のためのポイントを再度まとめます。基本情報技術者試験に合格するには。。。
ポイント
- 会場がすぐに埋まってしまうため、予約可能になったら早めに予約する。
- 過去問道場に登録する。
- 遅くても1か月前には過去問を一通り解く。人はやばいと思わないと本気を出しません。「アルゴリズム」や「ソフトウェア開発」の勉強には時間がかかります。
- 午前免除よりも、udemy、書籍などを駆使して理解しながら試験対策をする。